ELTRA燃焼法分析装置は、ここ30年間、セメント業界での品質管理に重要な役割を果たしてきました。
セメントの製造では、原料(石灰岩、粘土、砂)の採掘・破砕後、乾燥、製粉機での粉砕、回転式チューブ炉内での燃焼を経て、最終的にセメント粉末が得られます。ELTRA社の成分・元素分析装置は、これらすべてのプロセスで使用されます。
硫黄は水と反応して酸を生成し、材料劣化を招くため、硫黄含有量は硬質レンガの劣化に大きな影響を与えます。
炭素・硫黄分析計CS-i では、高性能な誘導炉により各種建材を純酸素雰囲気内で2,000 °C以上の温度で溶融し、最大4個の独立した赤外線セルによって硫黄(または設定によって炭素)含有量を正確に測定します。IRセルの数により、測定レンジは柔軟に設定できます。
一台の分析装置に高周波誘導炉と管状抵抗炉の両方を搭載し、効率的な燃焼を可能にする設計(ELTRAデュアル燃焼炉技術)で、建材中の炭素・硫黄成分を経済的に測定することができます。
CS-dには建材の成分・元素分析用の高周波誘導炉に加えて管状抵抗炉も内蔵されており、1,550°Cまでの昇温が可能です。抵抗炉は石炭、コークス、二次燃料などの可燃物質の分析に最適です。
燃料の有効熱量は炭素(それも特に水素)の含有量に左右されます。例えば二次燃料を燃焼させると、それに含有された水素から相当量の水が生成します。そのような水は回転式チューブ炉で気化させる必要があります。この過程で熱量が有意に低下します。
したがって、元素分析により炭素・水素・硫黄の含有量を正確に測定することが重要で、管状抵抗炉を備えたCHS-r はこの用途に最適な分析計です。サンプル処理能力(スループット)を高めるため、36個または130個のるつぼに対応するオートローダを装備したCHS-580A機種もお求めいただけます。
マッフル炉や外部の天秤を使用して水分、灰分、強熱減量(LOI)などの熱重量分析パラメータを測定する従来の方法は、往々にして時間と手間がかかりました。
TGA Thermostep は天秤を内蔵し、測定条件をプログラム可能な熱重量分析計で、燃料に含まれる水分、揮発成分、灰分といった各種パラメータやセメントのLOIをユーザー設定の温度や周囲雰囲気で同時に分析できます。
建材の品質管理で重要となる、もう一つのパラメータは全無機炭素(TIC)です。CW-800では、1,000°Cの窒素雰囲気下でTIC値を測定できます。わずか1分で信頼性の高い分析結果が出ます。